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椎間板ヘルニアの治療

ヘルニアとは、体内の臓器などが、本来あるべき部分から脱出した状態を言います。

ここでは椎骨(背骨)の間に存在する椎間板が脱出して起こる椎間板ヘルニアの治療についてご説明します。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの治療

椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板がゼリー状の軟骨質な中心部分が硬膜を通して飛び出す状態を指します。通常、椎間板は椎骨と椎骨の間に位置し、脊椎の柔軟性やクッションの役割を果たしています。しかし、異常な負荷や加齢により椎間板が変性し、内部のゼラチン状の物質が飛び出すことがあります。これが神経を圧迫すると、痛みやしびれ、筋力低下などの症状が現れることがあります。

【椎間板ヘルニアの処置や治療法】

椎間板ヘルニアの治療には、患者の症状やヘルニアの進行具合に応じてさまざまなアプローチがあります。基本的に椎間板ヘルニアは3か月程度で飛び出した椎間板が自然としぼんで自然治癒することが多いとされています。(印象として8割程度の方)しかし、症状が非常に強く日常生活への影響も大きいことあるため、下記の1-4の治療法を併用していくことが重要と考えられております。

  1. 保存療法と安静: 初期の段階では、痛みの軽減や神経の安定化を図るために、安静が重要です。特に患部を無理な姿勢や動作から守り、適度な休息が必要です。

  2. 薬物療法: 炎症を鎮めるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの痛み止めを用います。また神経を圧迫すると神経障害性疼痛という、ビリビリ、ひきつれるような特殊な痛みが生じることがあります。神経障害性疼痛に対しては前述のような痛み止めは効果が乏しいことも多く、抗けいれん薬や抗うつ薬という特殊な薬を使用することがあります。

  3. 物理療法: 筋力強化や姿勢の改善を目指すため、物理療法が行われることがあります。運動療法やストレッチ、温熱療法が検討され、患者の体力向上や痛みの軽減が期待されます。

  4. 注射療法: 痛みの局所的な軽減を目指して、硬膜外ブロックや神経根ブロックといった、ステロイドや麻酔を使用した局所的な注射療法が行われることがあります。これにより炎症が和らぎ、患者の症状が改善されることが期待されます。

  5. 手術: 上記の保存療法が効果的でない場合や神経の圧迫が進行している場合、手術が検討されます。また最近では問題となっている椎間板に酵素を注入したり、レーザーを照射して、飛び出した椎間板をしぼませる治療をおこなうこともあります。基本的には手術は最終的な選択肢であり、症状の程度や患者の生活に与える影響を総合的に評価して行われます。ただし、膀胱直腸障害(おしっこや便が出せなくなる)や麻痺の進行が急激に起こった場合は、神経障害が残る場合がありますので、急ぎで手術をする必要があります。手術はリスクを伴うため、慎重な検討が必要です。麻酔科医としての経験をいかし、信頼のおける脊椎外科の先生をご紹介いたします。

【まとめ】

椎間板ヘルニアの治療には様々なアプローチがあり、それぞれの患者に適した方法が存在します。保存療法から始まり、薬物療法、物理療法などを組み合わせ、必要に応じて手術を検討することで、患者の生活の質を向上させることが期待されます。患者自身も適切なケアと共に、専門医の指導を受けながら積極的なリハビリテーションを行い、治療の成果を最大化することが重要です。

 
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