ぎっくり腰の治療
【ぎっくり腰の概要】 ぎっくり腰とは、一般に重量物を持ち上げようとしたときや腰をひねったときなどに、突然腰の痛みをともない、動くことが困難になる急性腰痛症全般をさす言葉で、何か特定の疾患をさす言葉ではありません。
「急性」とは発症から4週間未満のものをさすことが多く、いくつかの原因疾患が含まれています。痛みが非常に強いわりに予後が良好であり、早期に多くが回復します。
【ぎっくり腰の原因】 急激な動作や重いものを持ち上げるといった腰への過度な負担によって、椎間板や椎間関節、背骨周囲の筋肉や靭帯に障害が出ることにより、症状が起こるといわれています。しかし、実際に急性腰痛症として受診された方の中で、原因が特定できたのは約15%程度と言われているのが現状です。
注意が必要な原因疾患としては感染症や骨折、膵炎や血管の病気などがあり、これらのなかに紛れ込んでいることがあります。できる検査には限界がありますが、当院ではなるべく漏れ落ちがないよう、腰痛専用の問診票も用意しております。お手数おかけしますが、ご記入をお願いいたします。
【ぎっくり腰が引き起こされる疾患】
様子をみてもよい筋骨格系疾患:椎間板生涯、椎間板ヘルニア、椎間関節症など
【ぎっくり腰と同様の腰痛で、重篤な疾患】
大動脈瘤、尿管結石、膵炎、化膿性脊椎炎、硬膜外膿瘍、転移性脊椎腫瘍、腎盂腎炎、脊柱骨折など
【ぎっくり腰の処置や治療法】 筋骨格系疾患である可能性が高いと判断された場合、まずは数日の安静が基本となります。
ただし実際には、仕事や学校のため数日間自宅で横になれない場合も多く、また寝返りも打てないほど痛みが強い場合もあります。そのような場合は、ブロック注射や痛み止めにより、痛みのコントロールを図ることも多いです。痛みが和らいだら、徐々に軽い運動を始め、筋力を回復させることが重要です。治癒過程でも物理療法やリハビリを併用していくことで、比較的スムーズな回復が期待できます。
【まとめ】 ぎっくり腰は急激な動作や負担が原因で生じる腰痛の一形態であり、様々な世代で発症する可能性があります。適切な処置や治療を行うことで、多くの場合は回復が期待できます。しかし、症状が続く場合や他の病気が関与している可能性がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。身体の不調を感じたら、無理せずに専門家の助言を受けることで、健康な毎日を取り戻す手助けになります。