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腰痛治療に力を入れています

当院は日本人の国民病でもある、腰痛の治療に力を入れています。

「腰痛」と一言でいっても、それぞれの組織(骨、椎間板、神経根、椎間関節、筋・筋膜、自律神経、脊髄や脳などの中枢神経、心因性など)において、多様なメカニズム(神経根・感覚神経の刺激、圧迫、炎症、循環障害など)で起こります。実はこの8割程度が画像検査などでは異常が見つからず、原因不明とされていますが、丁寧な診察でおおよその場所・原因が推定できます。

そして当院の治療の2本柱である

ブロック注射:(長所)即効性や効果が高い、(短所)刺されるのが怖い。医療機関に依存しがちでその場しのぎの治療になりやすい

リハビリテーション:(長所)体の使い方を覚えてもらい患者自ら再発・重症化を防げるようになる、(短所)即効性に欠けることも多く、痛みが強いとそもそもする気にもならない。

上記の2治療には互いに長所・短所がありますが、これらを組み合わせることで「即効・持続型の治療」を目指していきます。

ブロック注射

ブロック注射といっても、さす場所により様々な効果がありますので、丁寧な診察をおこない、原因を探っていきます。そして注射のスペシャリストとして、それぞれ適切なブロックを選択していきます。

腰への注射

①腰部硬膜外ブロック

腰部硬膜外ブロックは、脊髄や神経に近い硬膜外領域に麻酔を注射し、感覚神経および交感神経を一時的に遮断します。痛みの信号だけでなく、血管の締め付けも抑制されることにより、鎮痛効果+血流改善効果の両方を得ることができます。これにより、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などで硬膜外に生じた炎症や圧迫に起因する腰痛や坐骨神経痛が和らぎます。

②椎間関節ブロック

椎間関節ブロックは、椎間関節に麻酔を注射し、関節の炎症や痛みを軽減します。椎間関節で発生する痛みは、背骨の中心から少しだけ離れた部位に痛みがおこり、背中を反る動きでとくに痛みが強くなるのが特徴です。この注射により関節の内部の炎症を抑制し、変形性関節症や椎間関節炎に伴う腰痛が軽減されます。

臀部(お尻)への注射

①仙骨硬膜外ブロック

仙骨硬膜外ブロックは、腰部硬膜外ブロックと同様、仙骨周辺の硬膜外領域に注射を行うことで、下位腰椎や仙骨部(おしりや腰の下の方)の鎮痛効果+血流改善効果が得られます。これにより、仙骨神経痛や仙腸関節炎に伴う臀部痛が改善します。

②仙腸関節ブロック

仙腸関節ブロックは、仙腸関節周辺に麻酔や抗炎症薬を注射し、仙腸関節の炎症や痛みを和らげます。仙腸関節は下半身と上半身をつなぐ重要な関節で、二足歩行する我々にとって、つねにこの関節に負担がかかりつづけます。慢性的な腰痛の多くは仙腸関節にもなんらかの原因があることが多く、この注射により腰部や臀部の痛みが緩和され、動作が楽になります。

③梨状筋ブロック

梨状筋ブロックは、梨状筋に麻酔や抗炎症薬を注射し、筋肉の緊張や痙攣を和らげます。梨状筋の下には坐骨神経がとおっており、中腰や座っている姿勢などが続くと、お尻の外側の痛みや太ももの後ろにしびれが出たりする場合があります(梨状筋症候群)。この注射により、梨状筋症候群や坐骨神経痛に伴う臀部や下肢の痛みが軽減され、生活の質が向上します。

④坐骨神経ブロック

坐骨神経ブロックは、坐骨神経に麻酔や抗炎症薬を注射し、坐骨神経の過剰な刺激や炎症を軽減します。これにより、坐骨神経痛や腰椎椎間板ヘルニアによる放射痛が和らぎ、日常生活の動作が楽になります。

特定の筋肉への注射

トリガーポイント注射

トリガーポイント注射は、特定の筋肉に発生した痛みやこりの中心であるトリガーポイント(痛みのツボのような部位)に麻酔や抗炎症薬を注射します。これにより筋肉の緊張が緩和され、血流改善や痛みの軽減が期待されます。日常的な筋肉の不快感や慢性的な痛みに対して効果があります。

 

腰痛に対してのリハビリテーション

腰痛は8割程度が画像検査に異常がなく、生活様式や普段の姿勢により局所の組織(骨・靭帯・関節・軟骨など)にストレスがかかって痛みを起こしていると考えられています。つまり生活や姿勢を変えていく必要があります。

マッケンジー法

背骨はもともと生理的弯曲といって、S字カーブを描いており、首・背中・腰のそれぞれの部位で弯曲しています。腰に限って言えば、本来の腰部の背骨は前弯(前方に反る形)をしています。マッケンジー法はこの本来の形を取り戻すように、腰の伸展(反り腰)を保持することを目的として開発されました。やがて研究が進み、伸展だけでなく、屈曲・側屈・回旋運動など「Directional Preference (良い反応を引き出せる運動方向)」を見つけ出し、これを繰り返すことで痛みを和らげ、機能を改善させていくことができると考えられています。その他にも特定の悪い姿勢が痛みの原因となる姿勢障害や、関節・靭帯などの拘縮が原因となる機能不全症候群などの分類もおこなわれ、そのそれぞれに適した治療法が提示されています。そのため現在では下記の治療法の多くがこのマッケンジー法に含まれております。

数々の論文でもこの効果が実証されており、非常に臨床的意義が高いとされている方法です。

ウィリアムス法

マッケンジー法と対極の考え方で作り上げられた概念で、過剰な反り腰の場合に腰痛が起こる可能性が高い、という見地に基づいています。

腹筋強化、殿筋強化、背筋ストレッチ、両下肢を抱えて数秒間保持する運動などがあります。このような運動をおこなうことで、反り腰を改善させ、椎間孔という神経の出口を開大させ、椎間関節へのストレスを減らす効果があります。

骨盤矯正治療

骨盤周りは、椎間板・椎間関節・仙腸関節・股関節といった様々な関節が存在します。そして、これらのいずれかで障害が起こり、動きが悪くなると腰のした方~お尻にかけての重だるい痛みが生じ、さらにその周辺の関節も動きが悪く、痛みをきたすようになります。

可動域訓練はこの逆をおこなう発想です。

徒手的に関節の動きを良くしてあげることで、痛みがなくなり、周囲の関節にもその効果が期待できます。

筋力トレーニング

二足歩行で生活するわれわれ人間は、絶えず骨盤や背骨の周囲に負担がかかり続けています。それらのストレスは通常、骨盤周りの筋肉や靭帯、関節、骨などに分散されています。しかし、運動不足や加齢で筋力が落ちてしまうと、骨や関節などに直接負担がかかってしまい腰痛の原因となってしまいます。

つまり再度これらの筋力を復活させてあげれば、腰痛の治療・再発予防が期待できます。当院のリハビリテーションで腰痛に有効な筋力トレーニングを指導させていただきます。

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